長期間ログインされておりません
[PR] 広告主様募集



「たとえば僕が、」


■愛していると叫べたら

君を手放す勇気もないまま
痛みだけを分け合って

幸せそうな君の横顔を
想いだしては泣きたくなるよ

越えられなかった
この絶対的な距離の中

さよなら出来ない言い訳に
今日も、僕は子供のふりをする


ねえ、たとえば僕が
(愛していると叫べたら…)


■それでも正義と云うのなら

孤独に慣れたこんな瞳で
世界を救うちっぽけな僕は

圧倒的な正義の前に
どれほどの犠牲が赦される

いのちひとつの重みすら
もう背負うことは出来なくて

リアルから背けた瞳の奥に
気づけば独りの僕がいた


嗚呼、たとえば僕が
(それでも正義と云うのなら)


■君を忘れたとしても

きみを忘れた指先
(私はまだ覚えてるよ、)

記憶のきみは泣いてばかりで
(あなたの笑顔が苦しい)

僕はきみの温もりを知っている
(私はあなたの温もりを、)

心に空いたこの空白に
きみがいたのだろうか
(あなたの心のどこかには
まだ私の居場所がありますか)


ねえ、たとえば僕が
(きみを忘れたとしても)

(この愛は永遠ですか?)


■約束をくれたなら

(今でもあの頃に戻れたならと頑なに願ってしまうことは罪でしょうか)

待つだけの毎日は苦しくて
すがれる温もりを欲したの

声にならない待っててだった
そんな2人よがりの戯れ言に

どうにも出来ない空白と
孤独を知ってしまったの

薬指に君を待てなかった罪
小指には君を愛した真実。

本日花嫁日和
幸せはいつか届くでしょうか


たとえば君が、約束をくれたなら
(今でもそう思ってしまうのです)


■君に出逢ってなかったら

いつも誰かのせいにしながら
僕らは傷ついてたんだ。

僕が全否定したそれは、
君の生きる意味だったので。

キレイに生きてたいんだと
君はよく微笑んでいたね。

喪失を笑い飛ばせるほど、
僕らは大人でもなかった。

誰も傷つかない世界を、
望んだのは僕らだったのに。


たとえば僕が
君に出逢ってなかったら


ねえそれでも僕らは誰かを傷つけずにはいられない。


■君を救えたなら

温もりがなくたって生きて
いけたんだ、昨日までの僕らは

君の背負う涙の半分でも、
僕に分けてはくれませんか?

強くならざるを得なかった君の、
癒える場所で在りたいよ

何も見なかったことにするから、
今だけは泣いてください

この腕は君を抱きしめるためにある。
そう信じてていいよ

そこに理由が必要ならば、
何度でも愛を囁いてみせよう。


たとえば僕が君を救えたなら
(僕も救われる気がするんだ)


■君を忘れて生きるなら

時に優しさが人を傷つけることを
君はまだ知らないのでしょう

それでも僕は
あの日に立ち止まったまま

現実味を帯びない加速度で
君は僕の横をすり抜けていく

大人びて微笑う幼い君と
子供じみたままの大人な僕

増しゆく加速度に
心だけが追いつかず

この先が終わりでないというなら
待っているのは永遠ですか?

失われた体温に
すがりつけないもどかしさ

君のために泣くには
少し大人になりすぎたんだ


たとえば僕が
君を忘れて生きるなら


君は微笑ってくれるでしょうか


■君を愛したとして

仮に優しさだけで生きていけるとして
そのとき僕らは幸せでしょうか


もしも幸せだというのなら
ふたりきりがどうして寂しい

「君が幸せならそれでいい」
言葉に甘えていたのはどっち?

ふたりで幸せになる選択肢
僕らは考えもしなかった

優しさと愛は似ているね。
僕らは互いを大切にしすぎた


たとえば僕が君を愛したとして


■明日空を泳いでも

いつか戻ってこられるなら
それはきっと此処だろう

僕らを許してばかりの君が
泪を見せないわけさえも

いったい誰が、誰のために
こんな冷たさを強いるのか

またねなんて台詞ほど
突き放す言葉もないだろう



たとえば僕が明日空を泳いでも
願わくば来世こそ、
君と平凡なしあわせを


■許せないのは

きみの笑顔を守ることさえ
赦されない世界なら

いっそ失うことだけ考えて
冷めた手を握れば良かったのかな

世界を敵にまわしたって
愛したかったひとがいる

あとどれくらい生きたら
きみの傍へ行っていいかなんて
そんなことばかり考えるよ

嗚呼きっと世界の端っこは
誰にも優しくないんだろう


たとえば僕が許せないのは


■そんな言葉を知っていて

傷つかないように生きるのは
なんて簡単なことだろう

傷つけないように生きるのは
なんて難しいことだろう

いちばん近しい真実を
僕らは見てみぬふりをして

空虚な笑みが得意になって
心ばかりが渇いてく

疲れた瞳を携える少女は
優しい言葉を待っていた


たとえば僕が
そんな言葉を知っていて


■少し勇気を出したなら

変わらない関係に苛立って
変わってしまう関係に怯えてる

近すぎるから君が遠くて
じれったいのはいつも僕だけ

君の涙の意味がわからないくらい
いつから僕らは遠くなった?

知らなくていいことばかり知って
知りたいことは今もわからない

もう君のそばにいる理由なんか
ひとつしかないってこと
いい加減気づいてよ


たとえば僕が少し勇気を出したなら
(世界は案外僕らに優しい)


■優しい嘘をついたなら

奇跡の中でしか出逢えない僕らは
それでも何かに縋ろうとした

君の記憶の中だけでいい、
ずっと綺麗なままでいたい

もうとっくに滲んだ輪郭を
震える指先で探してる

ただどうしようもなく惨めな僕に
優しく笑いかけてくれる君へ


たとえば僕が
優しい嘘をついたなら


■無知を演じていたならば

痛みを知った君だけで

優しさを知らず、
しかし分け与えようとする

切なさなどなくとも、
君は涙を流せるだろう

記憶をたどれば偽りの、
そばにはいつも君がいた


たとえば僕が無知を演じていたならば


■君のヒーローだったなら

傷つくたびに輝きを増す君が
憎らしいほど羨ましくて

すべてを許したみたいな君が
両手を広げて待っている

それでも世界は狭苦しくて、
息するだけでくたびれるみたいだ

「本当」を知らない僕に、
君はいつまで経っても美しい

空っぽの君を造り上げたのは
他でもない僕だろう


たとえば僕が君のヒーローだったなら

(君が君らしく生きられる世界を願って願って止みません)


■この手をのばしたら

ただそれだけの理由が
僕らには必要だった

誰かを救えるくらいに
強がりな僕でいたいけど

弱さは音も立てずに
こぼれ落ちてしまうから

理想論を突きつけて、
君を見ようとしなかった

もうきっと全部が遅かったんだと、
遠い背中に囁いて

君を繋ぐには
たった2文字で良かったのに


たとえば僕がこの手をのばしたら


■さよならを言わずにいたら

僕らが忘れないだけで
世界は満たされる気がしてた

(だけど、)

めまぐるしくも曖昧に過ぎる時間を、
捕らえることなど出来なくて

(だから、)

綻びだらけの笑みを浮かべる
ふたりが今の距離だった

(いつか、)

僕らが見つけたふたりの出口は
確かに今日と違ってたのに

(きっと、)

あの日手放したものが
僕らの全てだったんだね



たとえば僕がさよならを言わずにいたら
僕らの出口はどこですか?


■この殻を破っても

上手に心を隠せるようになった僕らは今、
透明な殻の中で窒息している。

嘘と本当を使いこなして、
毎日を生きる僕だけど

一日の終わりに気づく小さな矛盾に、
今日も冷たくなっていく

笑顔も涙も怒りさえ、
演技だよってうそぶいて

大人になるたび少しずつ、
「本当の自分」がぼやけてく

気づいて欲しいわけでもないのに、
SOSを呟いた


たとえば僕が、この殻を破っても
(やはり世界は何かが足りない)


■真実を伝えることが出来たなら

君に伝えた嘘の数より真実の方が多くなってしまったら、
あいしてるって言える気がする。


ほんとはね、から始まる会話を
君が大事にしてくれたから


僕の中だけで消えてしまうはずだった真っ黒を、
君のありがとうが白くした


ごめんねよりも先に、
君に言いたいことがある。


たとえば僕が
最後の真実を伝えることが出来たなら

(続く言葉は愛だろう)


■失うことを知ったなら

優しくできなくてごめんねって、
今でも謝りたくなる時がある

たとえば君が笑うとき、
素直に喜ばない理由を探しあぐねて

曖昧な僕に曖昧なまま差し出された手が、
君の心を象るように

これが恋じゃないことなんて、
君はとっくに気づいていたんでしょう

愛されたいわけでも愛したいわけでもなくて、
ただそばに居てほしかった僕は

君の幸せを、祈るくらいは許されますか


この涙がいつか、君を救う何かになりますように。


たとえば僕が失うことを知ったなら
(恋でも愛でもないものに、名前をつけてみたかった)